双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~
 聞き違いじゃなければ、褒められた?

 交際中、彼はたとえお世辞でも綺麗だなんて言わなかったのに。

「雰囲気も変わったし」

 動揺しながらちらりと目を向けると、彼は私をジッと見ていた。

「もしかして、男?」

 ふぇっ? どうしてそうなるの?

 咄嗟に反論しようとしたが、ふと閃いた。そうだ。恋人ができたとでも言えばいいのでは?

 さっそく「そ――」と、言いかけると「嘘はバレるよ」と、言葉を遮られた。

「君と紗空さんはなんでも話せる親友なんだろう? 先に言っとくが、燎は愛妻家だが、妻の嘘は許さないタイプだからね。彼女に嘘を頼んだらダメだ」

 ハッとして紗空を振り返った。

 彼女は夫に抱き寄せられて、耳もとでなにか囁かれ、恥ずかしそうに身をよじっている。見ているこっちが照れてしまうほどのラブラブぶりに、思わず赤面し目を瞬いた。

 向き直ると「仲がいいよね」と彼がクスッと笑う。

「夫婦円満を壊さないためにも、正直に言ったほうがいい」

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