双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~
「ようやく新しい機種に変えてメッセージを送ろうとしたら、君はアカウントごと消えていた。なにかあったのかと、普通に心配したんだよ?」
ジッと睨まれて「ごめんなさい……」と謝る。
「帰国の日は知らせてあっただろう? 君にはマンションも教えてあるから、来るかと思ったんだけどね」
今の話が本当なら、私は捨てられたわけじゃなかった?
でも、あのとき私はマンションの入り口まで行ったのだ。妊娠の話をしようと思って。それなのに――。
忘れていたはずの悲しみが蘇り、喉の奥が締めつけられる。
「だって……」
でももう遅いよ。
なにを聞こうがすべては今更だ。過去は変えられないもの。
「最初にあなたが言ったんじゃない。君と付き合う気はないよって。私たちそういう関係だったでしょ」
言葉尻は違ったような気もするが、エーゲ海で関係を持つ前に、彼に釘を刺されたのだ。それでもいいかと。
彼は少し怒ったように目を細めて私を見下ろす。
「そういうとは?」