双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~
 母親同士が友人なので、親にくっついて麗華もうちの実家に来ているらしいが、一度も具体的には話をしていない。

『湖山さんは、どう聞いているんですか? 俺と麗華について』

『俺も実家にはたまにしか帰っていないが――』

 彼の親が言うには、俺と麗華の縁談は順調で後は日取りを決めるだけだと。

『キャプテンになるまで待ってほしいって、お前が言ったんだろう?』

 待つ必要はないからすぐにでも結婚してあげるように言えと、彼は親から頼まれたそうだ。

『言ってませんよ。三年前、許婚の話は、はっきりと断っていますから』

『ええ? いったいどうなってるんだ』

『俺の方が聞きたいです』

 実家に電話をかけて聞いてみたが、母も寝耳に水のようだった。

『麗華ちゃんと結婚の話? なにも聞いていないわよ? 前にあなた断ったって言っていたわよね?』

『ああ。はっきり断った』

 そんなことがあって間もなくだ。まことしやかに俺の結婚の噂が広がり始めた。

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