双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~
 写真と身上書を封筒に戻し、ボトルの水をもうひと口飲む。

 さて、と。気を取り直して伸びをする。

 今日は仕事がお休みだ。

 子どもたちがお昼寝をするこの時間は、私だけの貴重な時間である。いつもならハーブティでも飲みながら、好きなことをして過ごす。

 イヤホンをつけて映画の続きを見るとか、音が出ない家事をしたり、お菓子を焼いたりするのに、今日はなにをする気にもなれない。

 ぼんやりとしたままスマートフォンを手に取った。

 何気なく開いたのは画像アプリ。子どもたちの写真が並んでいて、おのずと顔が綻んでくる。

 寝起きで髪がぐしゃぐしゃのまま、ぼーっとしていたり、オムツでパンパンのお尻を振りながらトテトテ走っていたり。どれもこれも私の宝物。

「かわいいなぁ」と思わずつぶやく。

 一生懸命手を振っている動画から『ママー』と声が聞こえた。

 子どもたちの存在が、今の私の唯一最強のビタミン剤だ。この笑顔を守るためなら、私はなんだってできると勇気が湧いてくる。

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