月とスッポン 奈良へ行く
「何見てるんですか?」
見本として張られている御朱印を真剣な眼差しで見つめる男に声をかけた。
「七支刀が欲しいなと思いまして、悩んでいました」
「七支刀は国宝なので、いくら積んでも買えないと思いますよ」
真顔で答えると眉間に皺を寄せて、こちらを見る。
「定番のお守りか、ネクタイピンってのもありますね」
授与所を見渡しながら言ってみる。
どちらにしても何でもいいし、どうでもいい。
「今回、少なくても5カ所は回る予定なので、なんなら御朱印を頂けばいいんじゃないですか?」
と適当な事を言う。
「それは良い考えです」
授与所の巫女に爽やかな笑顔で
「こちらのご朱印帳に七支刀の御朱印をお願い致します」
と声をかければ、巫女さんが瞬間フリーズしている。
すぐに「承りました」と戻るにはさすがプロ。
ウキウキと御朱印を待っている男を放置して、楼門をくぐり、会釈をする。
正面にある摂社に行き、書かれている説明に目を通していれば
「お待たせいたしました」と御朱印帳を抱え、嬉しそうな笑顔の男が立っていた。
「あなたは御朱印を貰わなくて良いのですか?」
七支刀の御朱印を見せつけてくる。
相当、嬉しいのだろう。
買って貰った玩具を自慢する子供の様だ。
子供をあやす様な口調で「よかったねぇ」と言えば、
「御朱印は参拝に来たと言う証明書だそうです。来た証はいらないのですか?」と自慢げだ。
見本として張られている御朱印を真剣な眼差しで見つめる男に声をかけた。
「七支刀が欲しいなと思いまして、悩んでいました」
「七支刀は国宝なので、いくら積んでも買えないと思いますよ」
真顔で答えると眉間に皺を寄せて、こちらを見る。
「定番のお守りか、ネクタイピンってのもありますね」
授与所を見渡しながら言ってみる。
どちらにしても何でもいいし、どうでもいい。
「今回、少なくても5カ所は回る予定なので、なんなら御朱印を頂けばいいんじゃないですか?」
と適当な事を言う。
「それは良い考えです」
授与所の巫女に爽やかな笑顔で
「こちらのご朱印帳に七支刀の御朱印をお願い致します」
と声をかければ、巫女さんが瞬間フリーズしている。
すぐに「承りました」と戻るにはさすがプロ。
ウキウキと御朱印を待っている男を放置して、楼門をくぐり、会釈をする。
正面にある摂社に行き、書かれている説明に目を通していれば
「お待たせいたしました」と御朱印帳を抱え、嬉しそうな笑顔の男が立っていた。
「あなたは御朱印を貰わなくて良いのですか?」
七支刀の御朱印を見せつけてくる。
相当、嬉しいのだろう。
買って貰った玩具を自慢する子供の様だ。
子供をあやす様な口調で「よかったねぇ」と言えば、
「御朱印は参拝に来たと言う証明書だそうです。来た証はいらないのですか?」と自慢げだ。