月とスッポン 奈良へ行く
授与所の横を通り過ぎようとすると大河と目が合う。
「先に向こうに行ってる」と声をかけると
「やっぱり1人じゃないんだ」と落胆のため息が聞こえる。
「彼女とデートって感じでもなくない?」
「妹のお付き合い?」
きっとそんな事を言っているに違いない。
デートではない事は正解だが、妹ではない。
平日にも関わらず、ここは人が多過ぎる。
可愛い“なでうさぎ”を撫でながら、心を癒そう。
「この上にある狭井神社に足を伸ばしてもいいですか?」
「もちろんです。宝物収蔵庫も見たかったんですけど、土日しか見れないみたいです」
「それは残念です」
「大神神社の境内もまだまだ見どころがいっぱいあるようなので、次回ですね」
万病に効くと言う井戸水をそっと手を濡らし、左足にそっとあてがう。
病気でもないし、完治済みなのだが。そのままそっと胸に手を当ててた。
「病は気から」だ。
もう2度と痛み出す事がありませんよに。
「お待たせしました」
御朱印帳を抱えてやってくる。待ってはいない。
でも、まいっか。
「薬品関係者でしたっけ?」
「違いますけど、顧客には薬品関係者もいますので。
彼らの繁栄は我々の繁栄でもありますから」
そういう意味ならうちの店だって、無関係ではない。
どこかの誰かが儲かれば、どこかで飲んで帰ろうとなる。そのうちの一つがうちの店かも知れない。
社会の循環といったところだろうか。
もう一度、拝んでおこう。
「先に向こうに行ってる」と声をかけると
「やっぱり1人じゃないんだ」と落胆のため息が聞こえる。
「彼女とデートって感じでもなくない?」
「妹のお付き合い?」
きっとそんな事を言っているに違いない。
デートではない事は正解だが、妹ではない。
平日にも関わらず、ここは人が多過ぎる。
可愛い“なでうさぎ”を撫でながら、心を癒そう。
「この上にある狭井神社に足を伸ばしてもいいですか?」
「もちろんです。宝物収蔵庫も見たかったんですけど、土日しか見れないみたいです」
「それは残念です」
「大神神社の境内もまだまだ見どころがいっぱいあるようなので、次回ですね」
万病に効くと言う井戸水をそっと手を濡らし、左足にそっとあてがう。
病気でもないし、完治済みなのだが。そのままそっと胸に手を当ててた。
「病は気から」だ。
もう2度と痛み出す事がありませんよに。
「お待たせしました」
御朱印帳を抱えてやってくる。待ってはいない。
でも、まいっか。
「薬品関係者でしたっけ?」
「違いますけど、顧客には薬品関係者もいますので。
彼らの繁栄は我々の繁栄でもありますから」
そういう意味ならうちの店だって、無関係ではない。
どこかの誰かが儲かれば、どこかで飲んで帰ろうとなる。そのうちの一つがうちの店かも知れない。
社会の循環といったところだろうか。
もう一度、拝んでおこう。