月とスッポン 奈良へ行く
東大門を潜れば、築地塀に囲まれた長い一本道を夢殿に向かった歩いていく。
「このペースで拝観して、帰る時間を考えると1箇所が限度かも知れませんね。薬師寺に行って、時間があったら唐招提寺を拝観するか、興福寺に行って、時間の限りその周辺を攻めるかですね。時間が足りない」
誰もいない一本道を歩く。
前にも後ろにも誰もいなくて、この世界に一人取り残されたら、こんな感じなのかと思うとゾッとする。
横を見上げれば
「もう一泊でもしますか?」と首を傾げた大河がいた。
「泊まりたいなら、一人でどうぞ」
いつもの調子で答えたが、一人じゃない安心感にホッとした事は黙っておこう。
「また次回。ですね」
手水舎の吐水口の朱雀に感動し、瓦の上の宝珠に目を奪われる。
隙間から中を覗きながら、夢殿をぐるっと一周。
正面に立ち挨拶を済ませば、さっきまでいなかった大河が横に立っていた。
「堪能出来ましたか?」
「御朱印は貰いましたか?」
「もちろんです」
自慢げに御朱印帳を見せつけられる。
「良かったねぇ」としか感想はない。
「このペースで拝観して、帰る時間を考えると1箇所が限度かも知れませんね。薬師寺に行って、時間があったら唐招提寺を拝観するか、興福寺に行って、時間の限りその周辺を攻めるかですね。時間が足りない」
誰もいない一本道を歩く。
前にも後ろにも誰もいなくて、この世界に一人取り残されたら、こんな感じなのかと思うとゾッとする。
横を見上げれば
「もう一泊でもしますか?」と首を傾げた大河がいた。
「泊まりたいなら、一人でどうぞ」
いつもの調子で答えたが、一人じゃない安心感にホッとした事は黙っておこう。
「また次回。ですね」
手水舎の吐水口の朱雀に感動し、瓦の上の宝珠に目を奪われる。
隙間から中を覗きながら、夢殿をぐるっと一周。
正面に立ち挨拶を済ませば、さっきまでいなかった大河が横に立っていた。
「堪能出来ましたか?」
「御朱印は貰いましたか?」
「もちろんです」
自慢げに御朱印帳を見せつけられる。
「良かったねぇ」としか感想はない。