月とスッポン 奈良へ行く
一之鳥居をくぐり、奈良公園内の緑道をゆっくり歩く。
本当に鹿が普通に歩いている。
「本物だ」
そう思いながら、こちらを怖がらない鹿にそっと手を差し出してみる。
お互いに警戒している間が妙に愛らしい。
鹿との触れ合いを楽しんでいれば、あっという間に追いついた大河が「鹿せんべいを買いますか?」を財布を取り出そうとしながら言う。
「私は買いません。買いたかったら、勝手にどうぞ」
「買わないんですか?」
「買いたいんですか?」
このやりとりはどこかでやった気がするが。
うん、気のせいって事にしておこう。
緑の中を進んで行く。
「この鹿の主に鹿せんべいをあげると願い事が一つ叶うらしいですよ」
私の横を歩きながら言う。
「誰がそんな事を言ったんですか?」
「昨日会った矢倉真司です」
「嘘くさ」
「どちらがですか?」
「両方です。ってか、鹿にお願いして東京まで送って貰えばいいんじゃないですか?」
「鹿島神宮から春日大社まで神鹿に乗って来たそうなので、東京までは大丈夫そうですね」
そういう事ではない。
冷たい視線を送ってみれば、わかってますよと微笑んでいる。。
本当に鹿が普通に歩いている。
「本物だ」
そう思いながら、こちらを怖がらない鹿にそっと手を差し出してみる。
お互いに警戒している間が妙に愛らしい。
鹿との触れ合いを楽しんでいれば、あっという間に追いついた大河が「鹿せんべいを買いますか?」を財布を取り出そうとしながら言う。
「私は買いません。買いたかったら、勝手にどうぞ」
「買わないんですか?」
「買いたいんですか?」
このやりとりはどこかでやった気がするが。
うん、気のせいって事にしておこう。
緑の中を進んで行く。
「この鹿の主に鹿せんべいをあげると願い事が一つ叶うらしいですよ」
私の横を歩きながら言う。
「誰がそんな事を言ったんですか?」
「昨日会った矢倉真司です」
「嘘くさ」
「どちらがですか?」
「両方です。ってか、鹿にお願いして東京まで送って貰えばいいんじゃないですか?」
「鹿島神宮から春日大社まで神鹿に乗って来たそうなので、東京までは大丈夫そうですね」
そういう事ではない。
冷たい視線を送ってみれば、わかってますよと微笑んでいる。。