月とスッポン 奈良へ行く
最終目的地である興福寺の国宝館をゆっくりと回る。
十大弟子立像に、八部衆立像。
燈鬼立像に木造金剛力士像。
撮影禁止なので、ゆっくりと目に焼き付けていく。
「ここまで国宝ばかりを目にしていると、有り難みが薄れますね」
それを言うでない。
そう思いを込めて睨みつける。
「でも、平面で見るのと立体で見るのでは、やはり迫力が違いますね」
だろ‼︎
「やはり改めて思うのは、当時の技術の高さですよね。今、再現しろと言われても出来ない失われた技術だと思うと、考えさせられます」
「今だったら、できる出来ないの前に利益が出ないとか言われそう」
「そのバランスは大変難しい所ではあります。
でも、それでも残していかなければならないモノがあるのだと改めて思い知らされました。
奈良に来てよかったです」
そう!その言葉を聞けただけで、来た甲斐があったと言うものだ。
「でしょ」と自慢げに笑えば、
「ですね」と大河も笑っている。
まだ見て回りたい場所はいくつもあるが、明日を思えば家路に着くしかない。
寂しさを感じながら、運転席に乗ろうとする大河を押し退け、車に乗り込む。
エンジンをかけ、ナビ設定を自宅にする。
増えていく人を横目に車を走らせた。
十大弟子立像に、八部衆立像。
燈鬼立像に木造金剛力士像。
撮影禁止なので、ゆっくりと目に焼き付けていく。
「ここまで国宝ばかりを目にしていると、有り難みが薄れますね」
それを言うでない。
そう思いを込めて睨みつける。
「でも、平面で見るのと立体で見るのでは、やはり迫力が違いますね」
だろ‼︎
「やはり改めて思うのは、当時の技術の高さですよね。今、再現しろと言われても出来ない失われた技術だと思うと、考えさせられます」
「今だったら、できる出来ないの前に利益が出ないとか言われそう」
「そのバランスは大変難しい所ではあります。
でも、それでも残していかなければならないモノがあるのだと改めて思い知らされました。
奈良に来てよかったです」
そう!その言葉を聞けただけで、来た甲斐があったと言うものだ。
「でしょ」と自慢げに笑えば、
「ですね」と大河も笑っている。
まだ見て回りたい場所はいくつもあるが、明日を思えば家路に着くしかない。
寂しさを感じながら、運転席に乗ろうとする大河を押し退け、車に乗り込む。
エンジンをかけ、ナビ設定を自宅にする。
増えていく人を横目に車を走らせた。