本気を出したクールな後輩は一途な盲愛で攻め落とす。
2.突然の告白
真潮への疑念を抱えたまま、憂鬱な気持ちで出勤する。
はあ、と溜息を吐きながらミルクキャンディを舐める。変わらない優しい味が荒んだ心を癒してくれる。
「すみません、糸金さん。今いいですか?」
「あ、はい」
声をかけられてすぐに仕事モードに切り替えた。私には仕事がある。仕事だけは裏切らない。
一旦真潮のことは忘れて、仕事に集中しよう。
「糸金さん、今日の飲み会来られますよね?」
休憩から戻って午後も頑張るぞ、と気合いを入れようとしていた矢先、後輩の小鳩さんに尋ねられた。
「飲み会?」
「前から話してたじゃないですか。営業部との合同飲み会」
「あっ……!」
そういえばそうだった!真潮のことがあってうっかり忘れていた。
「うん、もちろん行くね」
「オッケーでーす!あっ、鷹宮さーん!」
小鳩さんはちょうど外回りから戻って来たであろう、鷹宮くんに話しかける。
私の時より声のトーンが一オクターブは高い。
「鷹宮さん、今日の飲み会来られますかー?」
「飲み会?」
「営業部とオペ部の合同飲み会ですよ〜」
「ああ」
すると鷹宮くんは小鳩さんの背中越しに私に声をかけた。
「糸金さんは来られるんですか?」
「あ、うん、行くよ」
「なら行きます」