本気を出したクールな後輩は一途な盲愛で攻め落とす。
私もミルクキャンディを一つ舐め、早速受けたばかりの案件に取りかかる。
大手食品企業、オウルフーズの営業サポート。
それが私、糸金李愛の仕事である。
常に忙しい営業部の業務を一部請け負うのが私たちオペレーション部の仕事だ。
企画書の作成、プランニング作成など営業部から依頼をいただく形でこなしている。
先方の都合によっては、さっきのように至急かつイレギュラーな依頼を受けることも多数。
大変だけどやり甲斐はあるし、何より感謝してもらえることが嬉しい。
営業の雑用係なんて言われることもあるけど、私は自分の仕事に誇りを持っている。
雑用だったとしても、誰かに必要とされているのだから。
「あれ?まだ残ってたんですか」
二十時を過ぎ、一人でオフィスに残っていたら誰かが話しかけてきた。
「鷹宮くん?」
「お疲れ様です」
彼の名前は鷹宮嗣実くん。
入社三年目にして既に営業部のエースという凄腕営業マンだ。
仕事ができるだけではなく、スラっとしたスタイル抜群の高身長に美しすぎる容姿を持つイケメン。
長い睫毛にくりくりとした黒目が目立つ目力のある瞳。
前髪をセンターパートに分けた艶やかな黒髪は長すぎず短すぎず、清潔感が保たれている。