本気を出したクールな後輩は一途な盲愛で攻め落とす。
「待たせてごめんな」
ご飯を貪るカナちゃんがかわいくて仕方ない様子で頭を撫でる鷹宮くん。
その横顔はオフィスでは絶対に見られない甘い笑顔だった。
か、かわいい……!!
鷹宮くんファンが見たら悶絶すること間違いない。
こんなにオフな鷹宮くんを拝めちゃって、何だか贅沢してるなぁ。
「すみません、お待たせしました」
鷹宮くんはあったかいほうじ茶を煎れてくれた。
アルコールをたっぷり流し込んだ胃の中には優しいチョイスで有難い。
「ありがとう。本当にごめんね……その、情けないところ見せちゃって」
チラッと見えた鷹宮くんのワイシャツがぐっしょりと濡れていて、私は慌てて頭を下げた。
「ごめんなさい!シャツ汚しちゃって、なんてお詫びすれば良いのか」
「こんなの洗えば良いんだから気にしないでください。それより、もしかして彼氏だったんですか?」
「……」
私は俯きながらこくりと頷く。
「私彼と付き合い始めてから四年になるの。去年から同棲もしてて、正直結婚を意識してくれてるのかなって当時は浮かれてた。……でも違ったみたい」
ほうじ茶が入った湯呑みを握りしめる手が震える。
「彼にとって私は、多分便利な家政婦だったんだろうなって。家事は私に任せっきりで何もしてくれない。不満もあったけど、それでも私のこと愛してくれてるって思いたかった。でも、違った……彼の心はとっくに離れていたんだね……」