本気を出したクールな後輩は一途な盲愛で攻め落とす。
夜になるとファンデーションがよれて普段以上に冴えなくなる私とは全然違い、いつでも顔面クオリティは満点。
密かに女性社員の間ではオウルフーズの王子様なんて囁かれている。
本当に今日も王子様みたいに眩しいなぁ。
「誰もいないと思ってたのに」
「もうすぐ帰ろうとしてたところだよ。鷹宮くんこそ直帰しなかったの?」
「ちょっと確認したいことあったんですよ」
そう言って鷹宮くんはデスクに座り、PCを開いた。
「糸金さんこそ残業ですか?」
「ええ、ちょっと至急案件があってね」
「もしかして鴨居のですか?」
「そう」
「すみません、鴨居にはもう少し要領良くやれって言っておきます」
「大丈夫、これくらい全然平気だから」
営業と営業事務ということで、鷹宮くんが入社当時から結構頻繁に関わらせてもらっている。
鷹宮くんはよく私に依頼してくれるのだけど、いつも指示内容が丁寧だし前もってスケジュールを確認してくれるからとても助かっている。
私より三つも年下なのに、すごくしっかりしているのだ。
淡々と仕事をこなすクールっぷりがカッコイイって社内の女子たちを虜にしてるけど、
「鷹宮くん、ここセロハンテープ付いてるよ」
「……あ」
「ふふっ」
実はこういう抜けたところもあるのがかわいいんだよね。
「……糸金さんこそ」