本気を出したクールな後輩は一途な盲愛で攻め落とす。
「……それじゃあ、少しの間だけでもお邪魔していいかな?」
「もちろんです!」
私が承諾すると鷹宮くんは、ホッとしたような笑みを浮かべた。
心底私のことを心配してくれているんだ。
甘えすぎてはいけないと思いつつ、鷹宮くんの優しさが心に沁みる。
鷹宮くんは車を走らせて来てくれたようで、通話を終了してからここに来てくれるまで早かったのも納得した。
それにしてもこの車、高級外車だよね?
鷹宮くんって一体どれだけ稼いでるの!?
乗り慣れない高級外車の助手席はソワソワして落ち着かない。
シートベルトを締めてハンドルを握る鷹宮くんは、新鮮でカッコいい。
よく見ると着ている私服や身に付けている小物は、ハイブランドばかりだ。
流石は営業部のエースといったところなのだろうか。
改めてこんなにイケメンで優しくて素敵な人が私のことを、なんて……信じられないな。
「李愛さん、そんなにじっと見られると緊張します」
「えっ!?そんなに見てた?」
「はい……」
ほのかに頬を赤らめる鷹宮くんに、こちらもつられて赤くなってしまう。
「ごめんね。私服の鷹宮くんが新鮮だから、つい……」
「変じゃないですか?」
「全然!すごくカッコいいよ」
「よかった。急いで着替えて出てきたから、すごく適当な服になってしまったので」
適当に着替えてハイブランドなの??
その時は流石に彼の金銭感覚を疑問に思ってしまった。