本気を出したクールな後輩は一途な盲愛で攻め落とす。
もしかして仕事の電話かな?
営業部は場合によっては休日出勤もあるみたいだし、忙しいのにわざわざ来てくれたんだなぁと改めて感謝の念が尽きない。
しばらくカナちゃんとじゃれあって遊んでいたら、鷹宮くんが戻ってきた。
「お待たせしました。すっかり仲良しですね」
「ふふ、そうかな?」
「正直ちょっと羨ましいです」
「何が?」
「俺も李愛さんと仲良くなりたいので」
「……!」
不意打ちでそういうこと言うのは、ずるいんじゃないかな……。
鷹宮くんの目が見られたくて思わず逸らしてしまう。
その直後、ぐーーというお腹の音が鳴った。
は、恥ずかしい……!なんでこんなタイミングで!
そういえば、朝から何も食べてなかったな……。
「昼飯にしましょうか。良ければ何か作りますよ」
「えっそんなの申し訳ないよ!」
「他人の手料理苦手なタイプですか?」
「そういうわけじゃないけど、何もかもやってもらって居心地が悪いというか……だったら私が作らせて」
「えっ」
「キッチンを勝手に借りてもいいなら、だけど」
「いいんですか?大した材料ないですけど」
「大丈夫、任せて」
冷蔵庫の中身を確認させてもらったら、一通りの食材は取り揃えていた。
自炊する人の冷蔵庫なんだなということがよくわかる。
なんでも使っていいという言葉に甘え、キーマカレーを作ることにした。