本気を出したクールな後輩は一途な盲愛で攻め落とす。
その声には、聞き覚えがあった。
一瞬にして鳥肌が立つのがわかった。
「――っ!」
なんで真潮が!?
流石の真潮も私がいるとは思わなかったのか、明らかに動揺している。
「初めまして、オウルフーズの鷹宮と申します」
鷹宮くんだけは朗らかな笑みを浮かべて真潮に挨拶をした。
一体どういうことなの!?
鷹宮くん、何を考えているの?
「上司から僕にお客様だと言われていたのですが、オウルフーズさん……?僕に何のご用でしょうか」
「突然のご訪問で申し訳ございません。どうしてもあなたにお見せしたいものがございまして」
「見せたいもの?」
そう言うと鷹宮くんは何やら写真を数枚取り出し、真潮の目の前に並べた。
それを見た途端、真潮の顔色がみるみる青くなる。
私もその写真を見て驚いた。
そこにはハッキリと、別の女と腕を組んでホテルに入っていく真潮の姿が写されていた。
ホテルから二人で出て行くところも収められている。
「なっ……」
「この女性のことも調べさせていただきました。加古彩子さん、あなたが担当者として求人を紹介したそうですね。就職先は随分前から決まっているようですが、まだ転職の相談ですか?」
「いや……っ」