本気を出したクールな後輩は一途な盲愛で攻め落とす。
真潮は震え上がりながらその場に崩れ落ち、そのまま床に額を擦り付ける。
「た、頼む!どうか、会社にだけは言わないでくれ……!」
「それより先に言うことがあるんじゃないのか?」
「李愛、すまなかった……!!」
震えながら私に向かって土下座する真潮。
なんて惨めなのだろうと思った。こんな情けない真潮、見ていられない。
「それと、最初から鶴谷部長には聞いていただきました」
鷹宮くんはそう言うと、通話状態となっているスマホの画面を見せる。
そこには「鶴谷部長」とはっきり表示されていた。
その直後会議室のドアが開き、スマホを左耳に当て鬼の形相をした鶴谷部長が現れた。
「以津……後で俺の部屋に来い」
「ぶ、部長……!!」
顔面蒼白になって震え上がる真潮。一切の言い訳も許さないとばかりに威圧する鶴谷部長に対し、真潮はただ項垂れるしかないようだ。
「李愛さん、行きましょう」
「あ、待って」
会議室から出ようと促されたが、私は自分から真潮の方に歩み寄った。
「真潮、私は本当に傷付いたんだよ。真潮のことが好きだったから」
「李愛、ごめん……」
「四年間ありがとう。さようなら」