本気を出したクールな後輩は一途な盲愛で攻め落とす。
李愛さんの人柄をそのまま表したような丁寧で繊細な字だった。まずこの美しい文字に心惹かれた。
PCを開いて企画書を確認してみたら、あまりにも完璧すぎて感動した。俺が伝え漏れていた件も丁寧な説明が添えられると共に、正に俺が思い描いていたところがそのまま反映されていて驚いた。
きっとものすごくやりづらかっただろうに、わからないなりに思考を巡らせて対応してくれたことが嬉しかった。
それから李愛さんのことが気になり始めたが、ずっと付き合っている彼氏がいることも同時に知った。
たまたま聞いてしまったのだが、同棲することになったと嬉しそうに話す笑顔を見て自分でも驚くくらいに心が傷んだ。
それでも彼女への想いを断ち切れず燻らせていたある時、李愛さんがふとした時にとても悲しそうな表情をすることに気づく。
話しかけると笑顔だし、仕事中は真剣にPCに向かっている。
でも、ほんの一瞬垣間見えるのだ。寂しそうに俯く横顔が。
あんなに同棲することを嬉しそうに話していたのに。