朔くんに迫られるんですが





慌てる千里に何のことかと聞くと、キスマークの意味から首にそれをつける意味まで、それはそれは細かく私の顔が爆発しそうなぐらい真っ赤になるまで、説明してくれた。


そういえば鎖骨が赤くなっていたところがあって、蚊に刺されたのかと思っていた。



これも、朔の仕業か。






〝キスマーク憧れるな…〟とみづきが、親指を立てて朔の肩を何度も叩いていた。


朔は、〝痛いって〟と言いながら私と目が合うと、前のめりになって私の手を引く。



自然に朔の方へ吸い込まれると、みんなの方へ向かされて肩を組まれた。




「まぁ、お試しだけどな」


「…お試し?」




三人は本当に仲が良い。


マラソンの時もそうだったけど、綺麗に三つの声が重なっている。



そして、ぽかんと口を開けている。思わず笑ってしまいそうになった。





< 108 / 273 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop