朔くんに迫られるんですが




〝一緒に帰るぞ。〟私にチケットを返すと、急いで帰る準備をしている無防備な時に、突然目の前が真っ暗になって視界を塞がれた。



背中に朔の手がまわって、朔の体と密着していたから抱きしめられているんだと分かって、私の体と思考が固まる。





数日前に保健室で朔に抱きしめられた時には気づかなかったけど、朔から良い香りがする。



柑橘系のコロンのような香りで、鼻に刺激的に伝わる香りじゃなくて、自然に風に乗って柔らかく香って来る感じ。




< 116 / 273 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop