朔くんに迫られるんですが
その途中も手は繋いだままで、引っ張ったり引かれたりすることなく、優しく握られている。
「茅柴は乗りたいもの、ある?」
「乗り物は、絶対にジェットコースター乗る。あとお化け屋敷も行きたいかな」
「本当に怖いの得意なんだな。この間もホラー本読もうとしてたけど」
壁ドンされた時のことだ。あの時は確か高いところに本があって、取ってもらったんだった。
「よく見てるね。でもホラーの本は苦手なの。お化け屋敷は好きなんだけど」
ぽかんと口を開けて私を見る朔。そりゃそうだ。お化けは大丈夫なのに、ホラーが苦手って矛盾している。