朔くんに迫られるんですが
しばらく黙っていた朔だったけど、何度か背中を私の手が往復すると、立ったままの私のお腹あたりに腕が巻きつき、朔の顔がぼふっと埋められた。
朔が私に甘えるのは、初めてだった。
仕掛けてくることはあっても、朔が私に弱みを見せたり、甘えるような仕草はなかったから、多少の戸惑いはあったけどやっぱり嬉しい。
「よしよし、泣きなさい」
「…子どもじゃない」
「じゃあ、赤ちゃんだね」
「……っ、」