朔くんに迫られるんですが




「見た目だけじゃ怖いって言われるけど、本当の俺はそんなんじゃない」




耳元で聞こえる声は、いつもの不機嫌な朔から出る声とは思えない、引き込まれるような妖艶な声。


朔の方を見ると思っていたより近くて、不覚にもドキッとしてしまった。




タイプじゃないと思っていたのに。





「どう?…知りたい?」




クラスメイトが、今の私たちの状況を見てざわついていることも気づかず、朔の目に引き込まれていると、





「うーっし。委員会決めるぞー」





担任が呑気そうに、ボサボサの髪を掻きながら教室に戻ってきた。


一瞬私たちの方を見た気がするけど、何も言わずに視線を泳がせて、手元の資料を無駄にめくっている。


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