朔くんに迫られるんですが
「見る暇あるなら、早く準備しなよ(笑)」
何も返さずに携帯を閉じて、一人でぽつぽつと学校に向かっていると、久しぶりな顔ぶれたちが後ろから私の肩を叩いた。
「尚おはよう!」
「お、矢吹くんまで。みんなおはよ」
「おう、おはよ。今日は千里とみづきちゃんの輪に入れてもらおうと思って」
「じゃあ今日は私も入れてもらおうかな」
「遼ちゃんは?」
「……寝坊」
一昨日、二人で遊園地に行っていたことを知っていた三人は、私の少し下がったトーンに一斉に目を逸らした。