朔くんに迫られるんですが
先生も気まずいだろうけど、私が一番気まずい。ごめんね、先生。
「朔くん、先生戻ってきたから…」
「チッ…。良いとこだったのに」
良いとこ…とは?
先生が黒板に委員会の名前を横並びに書き綴っていくのを、どれが良いかと話し合いながら和気あいあいとしているみんなとは違い、私は朔が近くにいたせいで熱くなっていた右耳を冷ましていた。
右耳を触って熱を取っていると、こちらを見てニヤけている朔と、また目が合った。
「耳、熱いの?」
「…誰のせいだと思ってるの」
「俺ー」