朔くんに迫られるんですが
足を運んだ場所は、屋上。
月に一度解放される屋上だけど、今日はその日ではない。
でも、解放される日でなければ誰も来ないから、偶然鍵が開いていた屋上を選んだ。
「はぁ…。私ってこんな情けないんだな」
開けた空間に、暗く落ち込んだ気持ちを吐き出して、深いため息もたくさん吐いた。
こんな暗い気持ちじゃ、ご飯も喉を通らない。
お弁当を広げてみたけど、また閉じて床に寝そべった。
恋愛って難しいし、楽しいって思える時間なんて、ほんのわずか。
そんなほんのわずかを、みんなはどうやって楽しんでいるんだろう。