朔くんに迫られるんですが





朔が突然立ち上がると、私の視線も追って上がる。


何が起こるのか分からなくて、見届けることしかできなかったけど、後頭部に朔の手がまわった瞬間、餌食の意味が理解できた。



でも行動が伴わなくて、抵抗する間もなく引き寄せられるように唇が重なる。




静まり返る図書室に朔のリップ音が小さく響き、




「分かった?」



と、片眉を上げて聞いてきた。





いや、聞かれても。



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