朔くんに迫られるんですが
背伸びして届くかな。少しズルをして、下の棚に足をかけて頑張っていると、
「背伸びしても届かないの?小さくて可愛い」
最近よく聞く声とともに頭に手が置かれ、見ると朔が笑って私を見ていた。
助けてくれる気配もないし、背伸びしてるのに朔が普通に立っているよりまだ小さくて、悔しい。
「朔くん届くなら、取ってよ」
「はいはい、背が高いからね。背伸びしなくても届くから、やりますよ」
軽々背伸びもせず取ってもらい、ついでに嫌味を言われたから睨むと、
「小動物に睨まれても、可愛いだけだよ」
とまた揶揄われた。