朔くんに迫られるんですが




背伸びして届くかな。少しズルをして、下の棚に足をかけて頑張っていると、




「背伸びしても届かないの?小さくて可愛い」



最近よく聞く声とともに頭に手が置かれ、見ると朔が笑って私を見ていた。



助けてくれる気配もないし、背伸びしてるのに朔が普通に立っているよりまだ小さくて、悔しい。




「朔くん届くなら、取ってよ」


「はいはい、背が高いからね。背伸びしなくても届くから、やりますよ」





軽々背伸びもせず取ってもらい、ついでに嫌味を言われたから睨むと、



「小動物に睨まれても、可愛いだけだよ」



とまた揶揄われた。



< 42 / 273 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop