堅物くんの理性、ブチギレ0.5秒前
私は好きだけど、彼は私が苦手らしい。
「……卑猥だ」
ボソッと後頭部に降ってきた、冷たい声に転んだ体の痛みなんか忘れてしまう。
逃げてきた。風の如くスカートの丈が少しばかり短いと、生徒指導の先生に怒られ、追いかけられ。面倒だと逃げた先は学校の敷地内に静かに存在する弓道場。
身を隠そうとお邪魔すると、罰が当たったのか転んでしまった。
「痛い……」と呟くと、後ろから聞こえてきた声と、空気に触れる太もも。
この感覚が気のせいじゃないなら、私のスカートは捲れていて、今下着を晒している事になる。
「わ、わぁーーー!!」
勢い良くスカートを押さえて、その場にペタンと座り込むと目の前には私の下着を見たであろう妙に大人びた男の人が立っていた。
「……み、見ましたよね?」
「……」
「あ、あの」
「女性がその様な格好、感心しないな。
下からなにか隠す様なモノでも履くべきでは?」
「み、見たんだ!?私のパンツ!!」
「み?!……見たくて見たわけではない!!
それと下着と言え、恥ずかしくないのか」
「人のパンツ見ておいて、なんですかその態度!
変態へんたいヘンターーイ!!」
「誰が変態だ!誰が!!」
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