堅物くんの理性、ブチギレ0.5秒前
いくら校則とはいえ、よく知りもしない女子にジャージを貸せようとするなんて、この人数分喋っただけで分かるくらい確かにお堅いけど、どこか抜けているような……?
「しかし、だな……生足を晒すよりはいいと思うのだが、」
「うーん、じゃあ先輩穿かせてよ」
「……っ」
「なんちゃって……あは、は」
友達との軽いノリが癖として滲みでて、冗談を言えば鼻の中心までくっきりと影を作る先輩は私を蔑んだ目で見ていた。
「言っていて、恥ずかしくないのか?」
「へ?」
「恥ずかしくないのかと聞いている」
ふぅ…と小さく息を吐く先輩は、弓を下に向け瞬きひとつしない目でジッと見つめてくるから、本気で怖くなってきた。
「肌を晒すことによって、よからぬ思考を持つ男に襲われたりしたらどうする気だ。
それは逆も然り。お前が男性を襲う側かもしれん」
「はい?!なんで私が男の人を襲うんですか……っ
話おかしくなってません?!」
「今の話に少しのズレもない。
そう思われるのが嫌なら穿くことだな」
「……」