堅物くんの理性、ブチギレ0.5秒前




「あ、の!お名前は?」


「別に教えたところでこの先関わる事はないだろう」


「じゃあ、ジャージ貰っていいってことですか?」

「返せ」


「匂い嗅いだり、彼ジャージとして仕様したり、これ着て寝ちゃったりするかも」


「やはり今すぐ返せ、一生生足晒す人生を送るといい。」


「やーん、そういう冷たいところも渋ーい!!」

「お前……渋いの意味分かっていないだろ……」


頭を抱えたくなるほどの大きなため息を吐く先輩は、頭痛持ちなのか手を額に当てる。


「……風音(かざおと)時令(ときなり)だ。」


「時令って名前かっこいい~、超先輩に似合ってるじゃないですかっ!!
 私の名前はですね、」


「聞いてないが」


「聞いてくださいよ~!
 蜜月(みつづき)こゆりって言います、二年生です」


「なっ……同じ学年か?」


「え、そうなの?(大人すぎない?先輩かと思っちゃったよ)」

「(幼い女だな……いや、高校生なんぞまだ子供だが)」


「「……」」



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