結ばれなかった赤い糸
許嫁という関係に二人はなり、大学を卒業したら結婚をするということを両家の両親は話して盛り上がっていた。前は早くその日が来ないかと、誕生日を迎えるたびに思っていた。
しかし、中学生になった頃から花火の態度がよそよそしくなっていった。小学生の頃は最低でも月に一度は二人で出掛けていたというのに、出掛けるのを嫌がるようになった。
「思春期だから。照れているだけよ」
そう母親から言われたものの、前は胸の中に不安を感じていた。出掛けている最中、花火はあまり前の方を見ない。二人の視線が絡み合うことは少なくなっていた。
「花火ちゃん、クレープ売ってるよ。食べる?」
「ううん、大丈夫。ダイエット中だから」
その短い会話すら、二人の目が合うことはない。前は花火の整った横顔を見ているのだが、彼女が前をチラリと見ることすらない。雪のように真っ白な頰は、淡々とした口調は、好きな人とのデートに照れているというわけではないと嫌でも伝わってくる。
しかし、中学生になった頃から花火の態度がよそよそしくなっていった。小学生の頃は最低でも月に一度は二人で出掛けていたというのに、出掛けるのを嫌がるようになった。
「思春期だから。照れているだけよ」
そう母親から言われたものの、前は胸の中に不安を感じていた。出掛けている最中、花火はあまり前の方を見ない。二人の視線が絡み合うことは少なくなっていた。
「花火ちゃん、クレープ売ってるよ。食べる?」
「ううん、大丈夫。ダイエット中だから」
その短い会話すら、二人の目が合うことはない。前は花火の整った横顔を見ているのだが、彼女が前をチラリと見ることすらない。雪のように真っ白な頰は、淡々とした口調は、好きな人とのデートに照れているというわけではないと嫌でも伝わってくる。