迷路の先には君がいた

 店の前には人が結構並んでいる。ふたりも並ぼうとしたところで声をかけられた。

「あら、鷹也じゃない!久しぶりね」

「鷹也やっと会えた!」

 通り過ぎた鷹也が顔を上げると列の前の方にいた女性二人が声をかけてきた。

「ああ……久しぶり」

「鷹也、最近全然店に顔を見せないから寂しかったわ」

 ふたりは鷹也の腕を左右それぞれ取った。後ろにいた芙蓉は茫然とした。
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