迷路の先には君がいた

「ねえ、一緒に食事しましょうよ。その子はどこの子?見ない顔ね」

 芙蓉は会釈をすると、彼女達に両腕を取られた鷹也を残して、ひとり通りに向かって足早に歩いていった。

「おい、芙蓉待てよ!」

「鷹也、いなくなった彼女はいいから……」

 鷹也はつかまれた両腕を強く払った。

「俺の腕は彼女だけのものだ。君達、もう俺のことはきれいさっぱり忘れてくれ」

 鷹也は走って芙蓉を追いかけて行った。

 すると、通りで金髪の男性に英語で話している姿が見えた。
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