迷路の先には君がいた

お披露目

　芙蓉がニューレジェンドホテルから解放されて一年。

　とうとう鷹也は芙蓉を口説き落とし、お披露目に同意させた。

　彼の父親の還暦を祝う親しい人だけを集めた内輪のパーティーだ。

　着飾った芙蓉を鷹也は愛しくてたまらないという目で見つめながら、腕を取らせて皆へ挨拶に回った。

　芙蓉は鷹也の愛のお陰か、前よりは体重も戻り、髪も長くなり艶やかさが増した。彼女が本来持つ神秘的な美しさに磨きがかかった。

「皆さま。本日はお忙しい中、私の還暦祝いのパーティーにお越しいただき誠にありがとうございました」

　彼の父親が挨拶をした。ホテルの現状に少し触れ、息子の話になった。