迷路の先には君がいた
「こればかりは私一人では決められません。彼女が手元に戻ってからというもの、私はずっとこの日を待っておりました。忙しい彼女がようやく頷いてくれました。父さんのお陰かもしれない、ありがとう」
「「あははー!」」
「ご存じの通り、彼女は日本を代表する国際ホテルチェーンのオーナーです。私と一緒になってもそこは変わりません。ただ、お互い話し合って提携できるところはしていこうと決めています」
会場は静まり返り、彼が何を言うか固唾をのんで見ている。
「私達が合併したらどんな巨大ホテルグループになるか、考えただけで身震いがします。ただ、私達はそれをするつもりは今のところございません」