迷路の先には君がいた

 彼女は突然自分を名指しで現れた鷹也を見て驚いた。

 鋭く光る瞳に射抜かれた。その眼は決意に満ちていた。

 ああ、やはり……どうしてかわからないが、芙蓉は彼に見つかってしまったのだろう。

 でも彼が自分を訪ねたということは、彼女から今までの理由を聞けず、しびれを切らしここに来たのだと察した。

「中田様。大変お久しぶりです。どうかお願いです。お嬢様を問い詰めないであげてください」

「君までニューレジェンドにいるということは、今現在スワンはどうなっている?営業停止になっているところはないようだが、ここ数年、新しい出店もない。スワンは元々国内の一見さんが入りづらい。海外のお客様がほとんどで一般客がいないせいで情報が出ない」
< 18 / 112 >

この作品をシェア

pagetop