迷路の先には君がいた

 芙蓉は二年生の誕生日に二人から告白され、頼りがいがあるが真面目で少し神経質気味な繁より、一緒にいて気の休まるおおらかな鷹也を選んだ。

 繁は鷹也を恨んでいるようには見えなかったが、居づらくなったのだろう。他大学へ転出した。その後、芙蓉は鷹也と一緒に勉学やホテルの実地研修をしてきた。

 寮暮らしだったが、長い休みは彼とずっと一緒だったし、ある意味蜜月だった。

 芙蓉は彼と再会して、ボーっとそんな昔のことを思い出していた。

 今日は鷹也と会った後、ショックで仕事が手につかず、繁に捕まって文句を言われた。

 その場で間に入った細井が彼女を庇い、先に帰してくれた。
< 23 / 112 >

この作品をシェア

pagetop