迷路の先には君がいた
実は芙蓉の父は実業家だったのだが、海外のカジノ周りが好きで、散財する傾向があった。芙蓉の祖父母は彼を嫌っていた。
母の死後、相変わらず海外へ仕事を口実に出かけてはカジノ通いをしていたらしく、あっという間に破産した。
祖父母は前からそれを恐れ、ホテルの資金に手を付けられないよう海外の隠し金庫へ秘密裏にお金を入れていた。
スワンホテルグループは海外のお客様が多く、海外にも支店がある。そちらでは国際ホテルとして有名なホテルグループだった。
外交官や各国の知り合いの王族などもお忍びで訪れる。祖父母はそういった海外の賓客と個人的に親しく、芙蓉の父に隠れて資産を隠してきたのだ。
ところが、四年前祖父が病気で亡くなった。