迷路の先には君がいた
 芙蓉の父は弱みを握っていた執事を捕まえて、隠し財産の場所を色々と聞きだした。あっという間に大金が彼の手に渡った。

 芙蓉の祖父は死ぬ前に親友だった外交官の三枝さんを呼んだ。万が一を考えて財産について弁護士と彼に内密で託した。彼が預金の流出に気づいて、芙蓉へ連絡した。

 三枝は外務省にも顧客の多いスワンが、今回のことで悪い噂になると国の為にもよくないと、手を回して情報を完全に隠した。芙蓉の祖父から言われていた通り、ニューレジェンドホテルのオーナーにお金を借りてスワンを助けた。

 ニューレジェンドホテルのオーナーは芙蓉の母と幼馴染だった。若い頃、芙蓉の母と親しかったオーナーは父の存在を疎ましく思っていたと繁は芙蓉に話していた。

 貝原家と諏訪内家が昔から親しかったのもあるが、ニューレジェンドホテルグループも外交官や海外客向けのホテルチェーンでスワンホテルグループと友好的に住み分けをして経営していた。
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