迷路の先には君がいた
外務省もオリンピックを控えた日本にとって、海外賓客の筆頭窓口であるスワンホテルグループをなくすことだけは避けたいとニューレジェンドホテルの貝原オーナーに国の為だと言って口を利いてくれたと言う。
「それで、ニューレジェンドホテルの貝原オーナーは、芙蓉様に何と言っていましたか?」
「いずれ繁と結婚を……」
「やっぱり!だからだめだと言ったのよ、芙蓉様が借金の代わりにとられるなんて、それでスワンを存続したところで、スワンも乗っ取られるわ」
「外務省はスワンの不祥事が公になるよりは、ニューレジェンドホテルグループとスワンホテルグループの合併のほうがまだましだと言っていたんです」