迷路の先には君がいた

「いいのよ、もう。もしかすると、今更理由を知っても関係ないと思ったのかもしれないわ。こんな冷たい女のことなんて嫌いになって……」

「お嬢様！まだ時間はあります。四年の間になんとかしましょう」

「そうですよ。旦那様がおられないのですし、言い方は悪いですが私達でどんな工夫もできます。一般客を増やすようにすれば、元々敷居が高いイメージのあるスワンです。集客は見込めます」

「そうね。私はレジェンドで客室係になって、ホテルマン人生を始めるわ。新入社員の研修と一緒よ」

　由里が圭吾を見て言った。

「あなた……私は芙蓉様と一緒にあちらで働かせてもらうよう頼んでみます。一緒に寮生活をしましょう。二人部屋もあるはずです」