迷路の先には君がいた

「彼女の借金を肩代わりされますか?」

「いや。芙蓉は俺にそれをさせたくないから姿を消したんだろう。別な方法で救わないとあいつは俺の元へ来ない」

「どうされるのです」

「借金以上の手土産をやればいい。細井さんと面会して、当時代理人だった弁護士が誰なのか聞いてくれ。それと、スワンついて調べてくれ」

「わかりました。鷹也様、旦那様にはどうご説明なさるおつもりですか」

「そうだな。父さんは全部お見通しで、俺に今回の交渉役も任せてくれたんだろう。俺を信用してくれていると思うんだ。最終判断で動き出す前に俺から伝えるよ」

 佐々木は頷いた。彼に言わなかったが、旦那様からは鷹也の好きなようにやらせてやれと指示されている。
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