迷路の先には君がいた

 すると、ノックの音がしてさっそうと背の高い美男が入ってきた。

 芙蓉は顔色を変えた。逃げたかったが間に合わなかった。

 鷹也とその後ろには弁護士バッジをつけた男性、そして三枝さんと圭吾だった。

 最後に鷹也の秘書である佐々木が入り、ドアを閉めた。

「失礼します。こんにちは。貝原オーナー、今日はよろしくお願いします」

 鷹也はホテルマンらしい美しい会釈をした。

「中田君。この他の人達は何だい?聞いてないが……」

「いや、スワンについて知りたいので、証人を呼んだんですよ。そちらも知りたいでしょう?スワンの現状について……」
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