迷路の先には君がいた

「……ごめんなさい、そんな……」

「悪いと思うなら、これから一緒に住んでくれ」

「え?」

 鷹也はぎゅっと芙蓉の腰をつかんで引き寄せた。

「芙蓉」

「な、なに?」

「確認しておきたい。お前、繁とこの四年の間に何かあったんじゃないだろうな」

 芙蓉はびくっとして目をそらして下を見た。
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