迷路の先には君がいた

「な、なにもない。拒んだもの……」

「何を拒んだ?」

 芙蓉はつい言ってしまった。

「ベッドは絶対に……結婚までダメだと言ってあった」

 鷹也は光る瞳で彼女を見た。

「ふーん。じゃあ、ベッド以外は許したのか?」

 芙蓉は顔色が変わった。

「つまり、キスは許したんだな」
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