迷路の先には君がいた

「いいもん。私から清家さんに頼むから。彼のことは私も昔から知っているもの」

 スワンは海外の要人が多く泊まるので、財閥の御曹司が内密で話し合いの為訪れることもある。

 芙蓉は鷹也と知り合う前から、清家、榊原の両財閥の御曹司は知り合いだったのだ。

「まさか芙蓉、お前以前から玖生のこと褒めていたが、あいつはダメだぞ。とうとう婚約したからな」

「そうなの?玖生さん素敵だったもの。良かったわね」

「玖生を素敵とか俺の前で言うな!」

 鷹也は怒った。

 いつも他の男性を少しでも褒めると機嫌が悪くなる。

 
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