迷路の先には君がいた
「諏訪内さん久しぶりだ。いろいろ大変だったね」
「この度は鷹也さんを通じてツインスターグループにもご迷惑おかけし申し訳ございませんでした。あの、お金をお返ししたいんです」
準備してきた小切手を差し出した。
「いや、私はもらえない。悪いが返すなら鷹也に頼むよ。あいつが自分のお金を使ったんだ」
「いえ、サムエルホテルグループ買収の件は……ツインスターホテルグループの傘下に入るはずでしたのに、本当に申し訳ございません。償いをさせていただきたいのです」
「サムエルについては元から私は買収する気がなかったんだ。急にどうしてもとあいつが言うから……要は君のためだったんだ。私は最初から最後までノータッチ。グループの金に手は付けてないし、うちに不利益がない限り問題ないよ」