迷路の先には君がいた
「言っておいた方が彼女も決断できる。今後は彼女だけだろうな」
「当たり前だ。じゃあな、父さん。それと芙蓉。これは受け取れないと何度も言ってるだろ」
机の上の小切手を綺麗に畳んで芙蓉のバッグに入れてしまう。
最近は彼のデスクの引き出しにさりげなく入れてみたり、頑張って甘えてお願いしたり……お金を返すためあらゆることをした。
彼は受け取らず、代わりに甘いお仕置きをするのだ。
ふたりは部屋を出た。
「芙蓉は俺が本当に好きなんだな。出張前にあれだけ念入りにお仕置きしたというのに……金を返そうとしなくても素直に甘えてくれれば可愛がるよ」