迷路の先には君がいた

 芙蓉は真っ赤になった。

「ばかあ!」

 芙蓉はバチンとカバンを鷹也の腰にぶつけた。

「痛いな、おい。暴力反対!」

「あなたはそうやっていっつも、私の真面目な思いを……」

 鷹也は芙蓉をそっと抱きしめた。

「わかってるよ」

「だって……」

「芙蓉。四年前は俺に力がないから……頼りたくなかったんだろ?」
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